住宅地を抜け、石畳の道、未舗装の小径を経て山道に入ります。木漏れ日が差し込む明るい森から、しっとりと深みを帯びた林へ。景色のうつろいとともに、早川の流れや神秘的な池、見晴らしの良い展望台など、多彩な表情に出会えます。
探勝歩道は野鳥や高山植物の宝庫としても知られ、歩くほどに森の静けさが身に染みわたります。
「HAKONEIKU」森閑の箱根を歩こう!「仙石原湖尻自然探勝歩道」をたどる旅
「HAKONEIKU」 森閑の箱根を歩こう!「仙石原湖尻自然探勝歩道」をたどる旅
春から夏にかけての箱根では草花が芽吹き、青葉に陽光がきらめきます。にぎわう名所巡りも魅力的ですが、日常を離れて緑に包まれるひとときは、大人の旅ならではの贅沢といえるでしょう。
今回は、森閑とした山道をたどる「仙石原湖尻自然探勝歩道」をご紹介します。仙石原と芦ノ湖・湖尻を結ぶ全長約7㎞の散策コースのうち、外輪山内側の麓を歩く仙石原周辺のルートを取り上げました。
なだらかな遊歩道は、山歩きに慣れていない方でも無理なくゆったりと散策を楽しめます。清流の音と風のささやきだけが響く、穏やかな時が流れる場所です。
変化に富んだ森林浴コースを散策しつつ、箱根の静けさに身をゆだねてみてはいかがでしょうか。
Contents
森閑とした風景に出会える探勝歩道
仙石高原バス停から探勝歩道入口へ
散策の起点は、仙石原すすき草原の玄関口「仙石高原バス停」。ここから、緑深き森への旅が始まります。
バス停付近からは、草原全体を見渡すことができます。秋に黄金色に染まるススキの群生は広く知られていますが、春から夏にかけてのみずみずしい緑もまた、旅への期待を高めてくれます。標高約650mの高原を渡る風はすがすがしく、都会の喧騒を忘れさせてくれることでしょう。
県道を進み「湿原通り」を経て「つつじ通り」へ至ると、次第に車の音が遠のき、静かな空気に包まれていきます。案内板に導かれるように、いよいよ森の散策路へ。舗装された道から柔らかな土の小径へ変わり、景色は静寂の森へとうつろいでいきます。
森への入口と早川のせせらぎ
案内板を過ぎると景色は一変し、森の静けさに包まれます。木漏れ日が差し込む小径が、箱根外輪山の懐へと誘います。
探勝歩道に足を踏み入れると、鳥のさえずりと葉擦れの音だけが耳に届く静寂の世界が広がります。進むにつれ草木の香りが深まり、足元には可憐な野草が彩りを添え、苔むした木々や湿った土の質感に、箱根の森ならではの趣が漂います。
やがて早川のせせらぎが聞こえ始め、ほどなく小さな橋が現れます。ここが散策路最初のビューポイントです。

橋の上に立つと、川面を渡る風が頬をなで、視界が一気に開けます。目の前には、丸岳から金時山へと連なる雄大な稜線、光を受けきらめく水面、幾重にも重なる山の緑のグラデーションなど、いつまでも眺めていたくなる美しさです。
橋を渡りきると、森の陰影から抜け明るい空間が広がり、外輪山の稜線を望む穏やかな風景が目の前に現れます。
温湯の池(グッピー池)で感じる箱根の地熱
散策路の途中には、地熱で温められた水が湧き出す神秘的な池があります。冬は湯気に包まれ、春には青く澄んだ水面が幻想的な姿を見せる「温湯(ぬくゆ)の池」です。
静かに佇むこの池は、訪れる人だけが出会える特別なスポット。箱根の火山活動が生み出した自然の営みを感じられる貴重な場所です。
水温の高い池では、熱帯魚のグッピーが群れ泳ぐ稀有な光景が見られます。熱帯の小魚が箱根の森で泳ぐ姿は、この地ならではの不思議な出会いです。
このほかにも錦鯉などの淡水魚、ザリガニやオタマジャクシ、湿生植物の姿も見られます。温かな水辺を訪れる野鳥も多く、多様な生物が息づくやすらぎの水辺となっています。
爽やかな風とまぶしい光の下、青空を映し出す水面の青が鮮やかに広がります。柔らかな光に包まれながら、ここでしか味わえない穏やかなひとときを与えてくれることでしょう。
ハコネダケの回廊と分岐点で出会う風景
ハコネダケは高さ約2~4mの小ぶりの竹で、箱根エリアに分布しています。ルート途中にあるハコネダケが密生するトンネルは、木漏れ日がきらめく心地よい空間。清涼な空気が吹き抜ける自然のアーチは、何度もくぐりたくなるほどの清々しさに満ちています。
風に揺れる笹の葉音が耳にやさしく響き、森の奥からは野鳥のさえずりが聞こえてきます。自然の息づかいが奏でる音色に、歩みがゆっくりとほどけていきます。
ハコネダケの回廊が途切れると、やがて前方に案内板が見えてきます。ここが探勝歩道のほぼ中間点となる分岐点です。
右手へ進むと展望台へとつながる上り坂が続き、箱根の外輪山に抱かれた静寂の世界をじっくりと味わうことができます。左手の道はサイクリングコースと併用の歩きやすい道。アップダウンが少ないため、時間にゆとりがないときや、軽めのハイキングを楽しみたい方におすすめのルートです。
展望台への道とサイクリングコース、どちらを選んでも箱根の大自然を満喫できるひとときが待っています。
展望台から望む箱根外輪山の絶景
分岐点を過ぎ、緩やかな坂道を登ると木立の隙間から空の青さが広がり、視界が一気に開ける瞬間が訪れます。やがて到着する展望台からは仙石原の自然を一望でき、深緑に包まれた外輪山の稜線が雄大な弧を描くように続いています。
眼下には、箱根カントリー倶楽部の芝生が柔らかな緑を広げ、その奥には、丸岳・金時山・明神ヶ岳といった外輪山の峰々がなだらかに連なります。さらに遠くには、冠ヶ岳の端正な姿や白い噴煙を上げ続ける大涌谷など、自然の息吹を感じさせる景色が広がります。春から初夏にかけては、新緑が幾層にも重なり、生命力に満ちた風景が広がります。
展望台を吹き抜ける風は涼やかで、清々しい森の香りが漂います。遠くから鳥の声が届き、静けさがゆっくりと心をほどいてくれるようです。
なお、展望台からサイクリングコースとの合流地点までは下り坂が続きますが、その後は緩やかな傾斜と平坦な道が交互に現れる、やや起伏のある道のりとなります。路面が不安定な箇所もあるため、慎重に歩を進めましょう。
湖尻へと続く、静寂の小径
ここから先は、展望台を経て芦ノ湖へと近づいていきます。湖尻へと続く道中には整備された公園や湖畔の景色など、山道とはまた異なる風景が楽しめます。
今回ご紹介した仙石原周辺のルートは、外輪山に囲まれた森林をゆったりと歩く散策路です。火山活動が育んだ箱根の森は豊かな自然と悠久の時を重ね、深い静けさに満ちています。
仙石原から始まる深緑の散策は、きっと特別な旅の記憶として刻まれることでしょう。
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