箱根の深い緑に身を置き、野鳥を観察する。それは、五感で自然を楽しむ体験です。それには、森に暮らす野鳥の生活を尊重し、自然環境を守りながら楽しむ心構えが大切です。
野鳥とは適切な距離感を保ちましょう。姿を見つけると近づきたくなりますが、急な動きや接近は警戒心を高めてしまいます。見つけた場所からは動かず、その場で様子を観察しましょう。特に春先の繁殖期に巣や雛(ひな)のそばに人間の気配を感じると、親鳥が子育てを放棄し、小さな命が失われることもあります。遠くからそっと見守ることもまた、野鳥観察の楽しみ方のひとつです。
また、撮影やSNSでの発信にも配慮が求められます。野鳥にとって強いストレスとなるフラッシュの使用は控え、撮影場所を詳細に公開することも避けましょう。人々が殺到することで、地域トラブルや生態系への悪影響を及ぼす恐れがあります。
マナーを守り静かに観察すれば、たとえ姿が見えなくても、オオルリやキビタキ、ウグイスなどのさえずりが響く箱根の森でのひとときを心ゆくまで楽しめることでしょう。
「HAKONEIKU」箱根の森で耳を澄ます、野鳥観察の楽しみ方
「HAKONEIKU」箱根の森で耳を澄ます、野鳥観察の楽しみ方
うつろう季節とともに表情を変える箱根の森。春夏の爽やかな季節には、五感で楽しむ「野鳥観察(バードウォッチング)」はいかがでしょうか。
木々を抜ける風の音や森の奥から聞こえてくる鳥のさえずりは、日々の慌ただしさを忘れさせてくれる心地よい音色です。
今回は、箱根の森で楽しめる野鳥観察の基本と、静けさを味わえるスポットをご紹介します。特別な機材や知識は不要です。森に身を置き、静かに観察すれば、野鳥の暮らしの一端に触れることができます。
Contents
野鳥観察を始める前に知っておきたいこと
野鳥観察に必要な持ち物と選び方
野鳥観察では双眼鏡があると便利です。ただし最初から特別な道具を揃える必要はありません。大切にしたいのは道具ではなく、周囲の気配に目と耳を慣らすことです。
双眼鏡がなくても、野鳥観察は十分に楽しむことができます。なぜなら、裸眼で鳥を探すことが野鳥観察の基本だからです。まずは自分の目で探し、見つけた鳥を双眼鏡で観察するという手順を踏みましょう。鳥の動きや声に意識を向けるだけでも、枝から枝へ飛び移る姿や、美しいさえずりに出会うことができます。
双眼鏡は、軽量で持ち運びやすく、視野が広いタイプがおすすめです。倍率は8~10倍程度が扱いやすいでしょう。図鑑はポケットサイズの持ちやすいものが重宝します。スマホアプリを活用するのも手軽です。
装いは、森の色彩に調和するアースカラーを基本に、白や赤などの目立つ色は避け、緑や茶系を基調にまとめましょう。季節を問わず長袖・長ズボンを基本とし、重ね着で体温調節ができる装いが安心です。
足元は履き慣れたトレッキングシューズを選び、両手が自由になるリュックサックを合わせれば軽快に移動することができます。急な冷え込みに備えた羽織ものや紫外線対策の帽子、水分補給のための飲料、ゴミ袋も忘れずに携行しましょう。
野鳥観察は、シンプルな装備で始められる奥深い楽しみです。自分のペースで少しずつ道具をそろえながら、自然の観察眼を養っていくことができます。
箱根の森で訪れたい、とっておきの野鳥観察エリア
箱根の中でも、野鳥観察におすすめのエリアをご紹介します。「仙石高原バス停」から「仙石原湖尻自然探勝歩道」を経由し「桃源台駅」まで至る約7kmの散策コースです。
所要時間は約2時間10分。新緑の森を歩きながら野鳥との出会いを楽しむことができます。
仙石原湖尻自然探勝歩道
仙石原湖尻自然探勝歩道は、野鳥観察に理想的な環境が整った散策コースです。仙石原から湖尻へと続く森では、野鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
木漏れ日が差し込む森の小径や水辺の風景、ハコネダケの緑の回廊など、さまざまな表情の景観が続きます。無理のないペースで歩きながら、野鳥たちの世界をのぞいてみましょう。
早川にかかる橋の周辺では、清流のせせらぎとともに聞こえてくる野鳥の鳴き声が、静けさを際立たせます。橋の上で立ち止まれば、丸岳や金時山を背景に、カワセミやヤマセミが水面近くを飛ぶ姿が見られるかもしれません。
ハコネダケのアーチが続く小径では、シジュウカラやヤマガラなどの小鳥たちが枝から枝へ飛び移り、風に揺れる笹の葉音にまぎれて届くさえずりには、思わずうっとりすることでしょう。展望台へ向かう坂の途中では、コゲラやアオゲラが木をつつく音に出会えることもあるかもしれません。
散策コース途中にある箱根カントリー倶楽部周辺は、開けた視界が広がるビュースポットです。そっと耳を澄ませば、オオルリやキビタキ、ウグイスなど、多彩な鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
芦ノ湖周辺
芦ノ湖周辺では、水鳥や周辺の林で羽を休める渡り鳥など、季節の移ろいとともに出会える鳥たちも変化していきます。湖尻水門やその近くにある砂利浜の入り江「東郷渕(とうごうぶち)」は、湖の青と空の青、そして木々の緑が調和する美しい場所です。
オオバンやホシハジロなどの水鳥が湖面に集う姿を、箱根外輪山の雄大な景色とともにゆったりと観察することができます。湖尻水門から桃源台方面へ進むと「芦ノ湖キャンプ村」が姿を現します。木立を吹き抜ける風とともに、野鳥のさえずりが耳に届くことでしょう。
湖沿いをさらに進んだ先にある「湖畔ふれあい園地」へと続く遊歩道は、芦ノ湖の絶景を望むビュースポットです。この一帯はアカゲラやホオジロ、カルガモ、カワウなどが生息するエリアです。水鳥の様子や野鳥観察を楽しみながら、静かな風景の中で過ごしてみてはいかがでしょうか。
野鳥観察のマナーと注意点
箱根の森や湖畔で野鳥観察を楽しむ際には、日本野鳥の会が提唱する「やさしいきもち」という7つのフィールドマナーが参考になります。
「や」野外活動、無理なく楽しく
「さ」採集は控えて、自然はそのままに
「し」静かに、そーっと
「い」一本道、道からはずれないで
「き」気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑
「も」持って帰ろう、思い出とゴミ
「ち」近づかないで、野鳥の巣
参考文献:公益財団法人日本野鳥の会 フィールドマナー
https://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/bbw/manner-field/
決められた遊歩道から外れると、植生を傷つけたり、地面に巣を作る鳥の営巣地を踏み荒らしてしまう可能性があります。箱根には整備された散策路が数多くあります。道を歩くだけでも、十分に野鳥観察を楽しむことができます。
観察に適した時間帯は、早朝と夕方です。特に日の出から2~3時間は野鳥が活発に活動し、さえずりも多く聞こえます。一方、正午前後は野鳥の活動が落ち着く時間帯です。時間に余裕があれば、朝の散策を行程に組み込むと、より充実した観察につながるでしょう。
天候にも注意が必要です。雨天時は野鳥の活動が鈍り、観察が困難です。強風の日も木々が揺れ、野鳥を見つけにくくなります。穏やかな晴れの日、または曇りの日が観察に適しています。
箱根へ野鳥の旅に出かけよう
箱根の森で耳を澄ませば、野鳥のさえずりが聞こえてきます。木漏れ日の小径、穏やかな水辺、深緑の森、そんな箱根の豊かな自然の中で出会う野鳥の姿は、名所巡りとは異なる、ゆったりとした時間をもたらしてくれることでしょう。
自然の中での野鳥観察をテーマに、箱根へ出かけてみてはいかがでしょうか。
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