箱根

2024.01.10

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箱根のパワースポット「箱根神社」とは?ご利益や見どころからその魅力を解説

齋藤 将人 小田急トラベル

山々とともに美しい風景をつくり出す芦ノ湖で、湖上に浮かぶ姿が神秘的な鳥居。「箱根神社」と聞くと、最初にこの「平和の鳥居」を思い出す人も多いのではないでしょうか。

実は、箱根神社の見どころは「平和の鳥居」だけではありません。箱根は地域全体がパワースポットとされますが、その中でも際立って魅力的なのが、この「箱根神社」なのです。

※ページ内の情報は2024年1月現在のものです。
※ページ内の画像はすべてイメージです。

「箱根神社」ってどんなところ?

箱根にはさらに、「箱根元宮」と「九頭龍神社」があり、この3つの神社を総称して「箱根三宮」と呼びます。古くから、「関東総鎮守箱根大権現」と崇められてきた名社「箱根神社」とは、どのようなところなのでしょうか。

開運厄除け以外の御利益も

多方面にわたって高い御利益がある神社としてよく知られている「箱根神社」ですが、具体的には開運厄除け、心願成就、交通安全といったあたりを耳にする機会が多いでしょう。実際に「箱根神社」はそれらについてご神徳が高く、多くの人々の信仰を集めています。

さらに「箱根神社」は縁結びの御神徳の高い神社としても有名です。箱根三社の一角である「九頭龍神社」も、縁結びでよく知られています。「箱根神社」には数多くの参拝客が集まりますが、その理由が見えてきそうですね。

奈良時代からあの歴史上の人物も尊崇していた

「箱根神社」を訪れる前に、その歴史を簡単に知っておきましょう。

箱根山一帯が山岳信仰の対象となったのは、紀元前にまで遡ります。この霊験あらたかな箱根の山々、現在の場所に社殿が建立されたのは8世紀、天平宝字元年(757年)のことでした。茨城県から三重県に至る範囲に多くの神社や仏閣を設けたことで知られる「万巻(まんがん)上人」によって、箱根権現を祀る社殿として、現在の「箱根神社」は建立されたのです。

平安時代には東海道の一部として箱根路が整備されますが、そこで道中安全を祈る多くの人々によって知られることになります。「坂上田村麻呂」や「源頼朝」「徳川家康」といった歴史上でも名高い人物が「箱根神社」を尊崇、崇敬していました。

「関東総鎮守箱根大権現」と呼ばれていた「箱根神社」が現在の名前になったのは、明治以降のことでした。時代が令和に移った今、箱根は年間2,000万人近くもの観光客が内外から訪れる超人気スポットになっています。そんな箱根の中心で、今日も賑わいを見せる箱根の地を「箱根神社」はやさしく見守っているのかもしれませんね。

■ 箱根神社 基本情報

・〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
・お札所・御神印の受付時間 8:15~17:00
・御祈祷の受付時間 8:30~16:00
・箱根高速バス「山のホテル」下車徒歩3分(新宿より直行)
・「元箱根」または「元箱根港」バス停下車、いずれも徒歩10分
・0460-83-7123
・公式サイトはこちらから
※最新情報は各種公式サイトなどでご確認ください

「箱根神社」の見どころ

出典:箱根神社

箱根一帯が巨大なパワースポットですが、その中心をなしているのが「箱根神社」です。とはいえ、その中には数多くの見どころがあります。次からは、ここは外せないといえる、5つのスポットについてご紹介します。

参詣する人々を三柱の祭神が見守る「箱根神社本殿」

御利益の深い箱根神社ですから、本殿への参拝は外せません。神社の公式ホームページには、参拝の作法について解説されていますので、目を通しておきたいですね。

この「箱根神社本殿」までの道のりは、思っているより少しだけ長いかもしれません。元箱根のバス停で路線バスを下車してから10分ほど歩くのですが、その間に第一鳥居から第五鳥居まで、5つの鳥居をくぐることになります。

第四鳥居をくぐると、長くて急な石段があります。足元に気をつけましょう。第五鳥居をくぐると視界が開け、本殿まではあとわずかです。

本殿で祀られている御祭神は、天照大神の孫であり、天孫降臨の伝承でも有名な「瓊瓊杵命(ニニギノミコト)」です。その名の意味するところは「天地が豊かに賑わう神」で、稲作をこの地上にもたらしたことから五穀豊穣や商売繁盛といった御神徳があります。

そして、「瓊瓊杵命」の妻であり桜の名の由来となった「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」も箱根大神の一柱です。困難な状況の中で無事に出産を果たしたという伝承から、安産あるいは子宝といった女性守護、そして火難除けで有名ですが、農漁業や酒造、織物といった産業や、航海の安全を見守る神としても知られます。

もう一柱は「彦火火出見尊(ヒコホホデノミコト)」です。「瓊瓊杵命」と「木花咲耶姫」の子供で、商売繁盛や海上の安全、そして縁結びの神としての御利益が知られています。箱根大神を知ることで「箱根神社」をもっと楽しめそうですね。

箱根屈指のビュースポット「平和の鳥居」

芦ノ湖のほとりにある「箱根神社」。中でも、美しい水中鳥居としてインスタグラムなどのSNSでもよく取り上げられる「平和の鳥居」は、箱根エリアでもトップクラスのビュースポットと言えます。

この鳥居が建てられたのは1952年。この年には現在の上皇陛下の立太子礼が行われ、前年にサンフランシスコ講和条約が締結されており、それらを記念したものです。先の大戦で深く傷ついた国が、これから立ち直っていくという希望にあふれた時代の空気を感じることができそうです。

「平和」の扁額はこの鳥居のシンボルともなっています。こちらは1964年に箱根大神御鎮座1200年と、同年に開催された東京オリンピックを記念して掲げられたもので、揮毫はサンフランシスコ講和条約に調印した吉田茂元首相によるものです。

残念なことに、この扁額を陸側から見ることはできません。芦ノ湖の遊覧船や箱根観光船に乗船すれば、平和の扁額を含めた鳥居の全貌を見ることができますし、天候に恵まれれば、さらに素晴らしい眺望が広がります

恋愛にも効く?縁結びの妙薬「龍神水」を忘れないで

箱根神社の本殿前、第五鳥居を背にして右側に、9つもの龍の口から流れ落ちていく水場があります。若い女性を中心に多くの人で賑わうこの水場は龍神水場で、この水が「龍神水」です。

龍神水には、口に含むことで心身から不浄なものを清めて、良いものを引き寄せていく御利益があるとされています。持ち帰り用のペットボトルも販売されている「龍神水」ですが、その人気の源は何なのでしょうか。

これは、「龍神水」の上に新宮がある「九頭龍神社」に由来します。「九頭龍神社」は、縁結びをはじめとした恋愛の神様としても知られます。素敵な恋愛相手やパートナーがほしいという、切なる願いを叶えてくれるかもしれない、そんなスポットがこの「龍神水」なのです。なお、この水は飲めますし、持ち帰り用のペットボトルなどの容器は、持参したものでかまいません。

金運や開運もおまかせ「九頭龍神社・新宮」

龍神水の脇にある階段をのぼると、箱根三社の一つ、「九頭龍神社」の新宮があります。こちらは恋愛だけでなく、金運や開運の神社としても、広く知られているのです。

実は「九頭龍神社」の本殿はアクセスしにくい場所にあります。それでも月次祭の際には多くの人が参拝しますし、そのための専用のバスと船が用意されますが、基本的には片道20分から30分かけての徒歩でのアクセスとなります。

「より多くの人に九頭龍神社に参拝してほしい」、そんな願いから、「九頭龍神社」の新宮は1999年に箱根神社の境内に建てられたのです。「箱根神社」に参拝するのでしたら、こちらもぜひ参拝してくださいね。

悠久の歴史を今に伝える「宝物殿」

歴史の長い「箱根神社」には、さまざまな宝物や歴史資料があります。それらを収蔵している博物館施設が「宝物殿」で、1907年に開設されました。100年周年を迎えた2007年には、正月元旦御鎮座1250年をあわせ新築され、現在の「宝物殿」となっています。

展示内容も充実しており、拝観者からの評価もおおむね良好です。特に歴史好きの人にはたまらないのではないでしょうか。

1階には受付があり、2階は常設展示、3階は企画展示室となっています。拝観料は個人の場合中学生以上の大人が500円、小学生が300円です。拝観の受付時間は9:00から16:00までで、見学は16:30まで可能です。年中無休ですが、展示の入れ替えなどがあった場合は臨時にお休みになることがあります。拝観を考えている場合は、お休みの予定を事前に問い合わせておきましょう。

箱根三社参りも忘れずに

せっかく「箱根神社」まで来たのですから、どうせなら箱根三社参りにも行っておきませんか?3つの神社を回ることで、御神徳がパワーアップするかも!

水辺の散策も楽しみたい「九頭龍神社」

生命の根源は水です。箱根で水と言えば芦ノ湖を連想されると思いますが、その芦ノ湖の守護神「九頭龍大神」を祀っているのが「九頭龍神社」です。「箱根神社」の中に「九頭龍神社」の新宮がありますが、ちょっと思い切って、本宮まで足を伸ばしてみませんか?

「九頭龍神社」は、よく知られた縁結びの神様。グループで、あるいはカップルで訪れてみてはいかがでしょうか。良縁の祈願に、あるいは恋愛がずっと続くように、それぞれの願いを叶えてくれるかも。

「九頭龍神社」へは、基本的に徒歩でのアクセスになります。箱根園や湖尻からでしたら、ゆっくり歩いても30分ほどで着くことができます。箱根園側でしたら「ホテル ザ・プリンス箱根芦ノ湖」で、電動アシスト自転車のレンタルもありますから、それを利用すればアクセスもらくらくですね。

また、毎月13日の10:00から行われる月次祭にあわせ、九頭龍神社参拝バスと参拝専用船が運行されます。参拝専用船の出発は9:30と早いので注意しましょう。

素晴らしいマウンテンビューに出会える「箱根元宮」

もう一つの箱根三社「箱根元宮」は箱根駒ケ岳の山頂にあります。山上の神社ということでアクセスが難しく感じそうですが、箱根園からロープウェーに乗車して山頂駅まで8分、そこから歩いて8分ですから、意外と近いのです。これなら足を伸ばせそうですね。

箱根大神の御神体、神山をのぞむ駒ケ岳の山頂。2,000年以上の歴史を持つと言われるこの「箱根元宮」は1964年に「箱根神社」の奥宮としてこちらに再建されました。歴史ある神社だけに、季節を問わず多くの参拝者で賑わっています。

気になる御利益ですが、開運厄除けをはじめ、心願成就、交通安全と並びます。恋愛成就も、しっかりと「箱根元宮」の御利益に入っていますよ。「箱根神社」と「九頭龍神社」の両社参りも十分魅力的ですが、ここは元宮に足をのばして、しっかり三社参りとしたいところですね。

注意しなければならないのは、参拝のスケジュールです。もし午後から行くのであれば、山を下りるロープウェー(下り便)最終便の出発時刻をあらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

箱根随一のパワースポットである「箱根神社」。芦ノ湖とともに、箱根を象徴する景観をつくり出しており、その存在感は抜群です。奈良時代に端を発する、まさに悠久ともいえる歴史を持つ箱根神社は、多くの人々から崇敬されてきました。

美しく整えられた神社の敷地内には「箱根神社宝物殿」をはじめとした見どころがあります。縁結びや開運にご利益を期待できる「九頭龍神社新宮」も外すことはできません。時間をとって、「九頭龍神社本宮」や「箱根元宮」に参詣するのも楽しそうですね。

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この記事を書いた人
齋藤 将人 小田急トラベル

小田急トラベル勤続25年。店舗カウンター業務を経て、現在はWEB関連業務に従事。対面販売にて数多くのお客様を箱根にご案内した経験を活かし、この記事を執筆。暇さえあればプライベートでも箱根に訪れるほど、箱根を愛してやまない。総合旅行業務取扱管理者。

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