「HAKONEIKU」 仙石原エリア

芸術と自然を存分に楽しめる高原リゾート地、仙石原エリア。ここは、美術館が数多く点在し「すすき草原」に代表される豊かな自然が旅人たちの心を魅了してきました。

10月から11月にかけて、黄金色に輝くすすき草原や、ガラスの森美術館で見ることができるクリスタルガラスのクリスマスツリーなど、秋冬ならではの絶景が仙石原の魅力をさらに引き立てます。

さらに、スイーツを楽しむ寄り道スポットとして、グランリヴィエール箱根と仙石原茶屋もおすすめです。グランリヴィエール箱根では、箱根を代表するラスク「キャラメルアマンド」を堪能でき、仙石原茶屋では、ほろ苦さが魅力の「レトロプリン」を味わうことができます。

個性豊かな美術館や美しい自然の中で、ゆったりと散策しながら、仙石原の魅力を心ゆくまで満喫してください。

標高約650mの仙石原は、都市部に比べて一足早く秋を迎える場所です。初秋の9月から雪景色の冬にかけて、アートや自然を存分に楽しめる観光スポットを4つご紹介します。

「箱根ラリック美術館」では、フランスの工芸家ルネ・ラリックが手掛けたガラス作品を約200点展示しています。

ラリックは1860年、フランスのシャルドネ地方に生まれ、16歳で宝飾職人に弟子入りしました。その後、ジュエリー作家として世界的に注目を集めたのち、1912年からはガラス工芸に転向し、香水瓶や花器などを制作しました。

ラリックの代表作として広く知られているのが、オリエント急行の室内装飾です。オリエント急行は、19世紀後半から20世紀中盤にかけて運行されていた豪華な長距離列車で、ラリックは、パリと南フランスを結ぶ「コート・ダジュール特急」の車内を、ガラスパネルで華やかに装飾しました。

現在、箱根ラリック美術館には、実際の車両がカフェ・レストラン棟に設置されており、その豪華な装飾の中でティータイムを楽しむことができます。団体貸し切りの日もありますが、先着順でも利用できるため、10時のオープンに合わせて訪れるのがおすすめです。

150枚以上のガラスパネルが張り巡らされ、車窓から差し込む自然光や室内ランプが織り成すきらびやかな空間は、一見の価値があります。

また、カフェ・レストラン棟では、テラスから美しい中庭を眺めることができ、特に秋の紅葉が見どころです。ラリック美術館のガラス作品に囲まれた空間で、華やかな大人の休日をお楽しみください。

■「箱根ラリック美術館」基本情報
箱根登山バス「仙石案内所前」下車すぐ
☎：0460-84-2255
公式：https://www.lalique-museum.com/

「箱根ガラスの森美術館」は、日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館として1996年に開館しました。ヴェネチアン・グラスは古代ローマ帝国のローマン・グラスを起源とし、15〜16世紀に黄金期を迎えました。

この美術館には、20世紀に生まれたガラスアートも含め、約1,000点の収蔵品があり、常時約100点の作品が展示されています。

ヴェネチアン・グラスには、主にモザイク・グラス、レース・グラス、マーブル・グラスの3つの技法があります。モザイク・グラスは、多様な模様のガラス片を組み合わせ、まるで花が咲くような美しいデザインが特徴です。レース・グラスは、透明なガラスと乳白色のガラスを組み合わせ、レース編みのような繊細な模様を生み出し、マーブル・グラスは、異なる色のガラスを混ぜ合わせ、大理石や天然の貴石を思わせる模様を表現する技法です。

この美術館の魅力のひとつは、ガラス工房での体験ができることです。砂を吹きかけてすりガラスの模様を描くサンドブラストや、ガラスを熱で熔かし合わせて作品を作るフュージングなど、自分だけのオリジナルアートを作ることができます。

さらに、10月下旬から11月中旬にかけては、紅葉が美しく庭園を彩り、大涌谷を眺める絶景が広がります。冬には、15万粒以上のクリスタルガラスで作られた2本のクリスマスツリーが登場し、幻想的な光景を楽しむことができます。

■「箱根ガラスの森美術館」基本情報
箱根登山バス「俵石・箱根ガラスの森前」下車すぐ
☎：0460-86-3111
公式：https://www.hakone-garasunomori.jp/

「仙石原すすき草原」は「かながわの景勝50選」および「かながわの花の名所100選」に選ばれており、箱根・仙石原を代表する風景のひとつです。台ケ岳の斜面に広がるこのすすき草原では、遊歩道が草原を貫くように続いており、仙石原の自然を存分に体感できる場所となっています。

このすすき草原は、四季折々で表情を変え、訪れる人々を魅了しています。春の訪れを告げる3月中旬から下旬には山焼きが行われ、草原全体が新たな生命を迎える準備をします。夏になると、すすきは成人男性の身長ほどまで成長し、鮮やかな緑が広がり、青空とのコントラストが美しい絶景を作り出します。

特に見逃せないのは、10月から11月にかけての季節です。この時期、すすきの銀色の穂が黄金色に染まり、一年で最も美しい景色を楽しむことができます。夕焼けに染まる時間帯には、黄金色に輝くすすき草原の中を散歩するのがおすすめです。この景色は、箱根旅行の思い出に深く刻まれることでしょう。

9月には、秋の訪れを祝う「すすきまつり」が開催され、箱根グルメや花火などのイベントも楽しめます。また、冬には雪に覆われたすすき草原が、幻想的な美しさを見せてくれます。

歴史を振り返ると、仙石原は江戸時代まで「千石原村」と呼ばれ、樹木のない広大な草原地帯でした。火山灰土壌と湿地という土地柄のため、穀物の栽培は難しく、茅（すすき）の栽培が盛んに行われていました。この自然が生み出したすすき草原で、秋冬の絶景をぜひ思い出に残してください。

■「仙石原すすき草原」情報
観光協会公式：https://www.hakone.or.jp/526

「箱根湿生花園」は、水湿地に生息する植物を中心に展示している植物園で、毎年3月から11月にかけて開園しています。ここでは、日本各地の湿地帯に生育する約200種類の植物や、草山や林、高山植物など約1,100種類が一堂に集められています。

園内には、海外の珍しい山草も展示されており、ボランティアガイドと一緒に散策することをおすすめします。園内ガイドツアーは10時と13時の1日2回行われており、敷地内に咲く花々の詳しい解説を無料で聞くことができます。

箱根湿生花園には、管理棟に展示室やレクチャー室、売店が併設されています。展示室では、写真やパネルを使って仙石原湿原の動植物を紹介しているほか、約15分間の「箱根湿生花園 四季の花」という映像も上映されています。また、売店では、オリジナル葉書や写真集など、ここでしか手に入らないお土産を購入することができます。

箱根湿生花園では、お盆を過ぎると秋が始まり、9月にはワレモコウやエゾリンドウが見頃を迎えます。仙石原を象徴するすすきは10月が最も美しく、11月には草紅葉や色づいた木の実が秋の深まりを感じさせる絶景を作り出します。

12月から3月中旬にかけては雪が積もり、一面が白銀の世界に包まれますが、この時期は箱根湿生花園も春に向けての準備のため休園となります。

広大な園内は8つのエリアに分かれており、それぞれ異なる自然の美しさを楽しむことができるでしょう。ゆっくりと散歩しながら、箱根の自然を心ゆくまで満喫してください。

■「箱根湿生花園」基本情報
箱根登山バス「仙石案内所前」から徒歩約8分
☎：0460-84-7293
公式：https://hakone-shisseikaen.com/

「グランリヴィエール箱根」

箱根でラスクといえばこちらの「キャラメルアマンド」は外せません。2階のイートインスペースで楽しめます。

■「グランリヴィエール箱根 仙石原本店」基本情報
箱根登山バス「仙石高原」下車すぐ
☎：0460-83-8123
公式：https://hakonerusk.com/

「仙石原茶屋」

仙石原すすき草原の近く、地元の人はもちろんのこと、多くの旅人たちも集うぬくもり空間が「仙石原茶屋」です。散策後にいただく、ほろ苦い「レトロプリン」は抜群の美味しさです。

■「仙石原茶屋」基本情報
箱根登山バス「仙石高原」下車すぐ
☎：0460-83-8692
公式：https://www.sengokubarachaya-hakone.com/

今回は、自然の魅力あふれる仙石原でおすすめの観光スポットを5つご紹介しました。

大人の休日にふさわしい上品な美術館が多く、海外や日本の有名な芸術家の作品をじっくりと鑑賞できるのが特徴です。また、雄大な自然を体全体で感じられるスポットも豊富に揃っています。

特に、すすき草原や箱根ガラスの森美術館、ラリック美術館では、秋冬ならではの絶景や美しいアートを存分に楽しむことができます。豊かな自然に包まれた箱根の仙石原で、優雅なアートのひとときを心に残る思い出にしてみてはいかがでしょうか。

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