箱根
2024.02.29
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6種類の効能別!箱根のおすすめ温泉紹介
小田急トラベル/齋藤 将人
箱根エリアでは、多様な温泉が楽しめることをご存知でしたか?この記事では、箱根各エリアの温泉の泉質と効能について説明し、各泉質の温泉に入ることができる温泉宿をご紹介します。
※ページ内の情報は2024年2月現在のものです。
※ページ内の画像はすべてイメージです。
古くは「箱根七湯」と呼ばれた箱根の温泉。現在では「箱根十七湯」、あるいは「箱根二十湯」とされ、バラエティの豊富な温泉群は多くの人たちを楽しませ、癒してきました。
両手で数えられる範囲を軽く超える数になる箱根の温泉ですが、その泉質に種類があります。それぞれについてお湯の雰囲気や効能が違いますので、簡単に知っておきましょう。
「アルカリ性単純温泉」は、子どもから高齢者まで楽しめる優しい温泉で、箱根の源泉の中でも多くの数を誇ります。アルカリ性で、お肌もすべすべになるのも嬉しいポイント。単純温泉とは温泉のお湯1kgあたりの含有成分が1000mgに満たない温泉のことですが、いろいろな温泉成分が含まれていて、名前のように「単純」な温泉ではありません。
泉質別の適応症としては、自律神経不安定症、不眠症、うつ状態が知られています。お肌だけでなく、心にも優しい温泉といえそうですね。
いかにも温泉!と感じるゆで卵のような匂い。これが「硫黄泉」の特徴で、殺菌効果も高く代表的な適応症には皮膚病があります。箱根にある硫黄泉の多くは硫化水素型で、適応症として糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病が挙げられます。慢性婦人病にも効能があり、飲用では便秘にも効能を発揮しますから、女性の悩み事に強い温泉でもあります。
温泉成分が濃厚な硫黄泉ですので、肌への刺激もやや強めです。そのため肌の弱い人や高齢で乾燥肌になっている場合の入浴は控えたほうが良い場合があります。心配な人は湯上がりに、シャワーを使って温泉成分を洗い流しましょう。入浴時、アクセサリーは外すことをおすすめします。
透明で、口にすると海の水を思わせるような塩辛さがあるのが「塩化物泉」の特徴です。湯冷めがしにくく「あたたまりの湯」と呼ばれることもあるのだとか。これは入浴時、肌に付着した塩分が汗の蒸発を防ぐのが理由です。この塩分は保湿剤のような効果もありますから、美肌の湯のあとに塩化物泉に入ると、美肌効果がより高まるのも嬉しいです。
代表的な適応症には冷え性、末梢循環障害、切り傷、うつ状態、そして皮膚の乾燥症があります。高血圧や心臓病、腎臓病のように食塩摂取に制限がある人、これらの疾患がない人でもむくみがある時は塩化物泉の入浴は控えましょう。
高い殺菌効果を持ち、皮膚の疾患に効能が期待できるのが「酸性泉」です。酸性のお湯は肌の角質を溶かしますから、美肌効果も期待できます。適応症は慢性皮膚炎やアトピー、あせもといった皮膚疾患で、乾癬や疥癬、水虫といった寄生系の皮膚疾患にも効能が期待できるのだとか。
飲用では慢性消化器病への適応がありますが、刺激が強いので飲用の際は薄めましょう。高齢で乾燥肌の人、敏感肌の人は入浴に注意してください。湯あたりしやすい酸性泉では、長湯にも気をつけて。肌への悪影響を避けるためには、上がる前にシャワーで温泉成分を洗い流すと良いでしょう。
代表的な美肌の湯とも言われるのが「炭酸水素塩泉」です。炭酸水素塩泉による美肌効果の源は、お湯に含まれる炭酸ガスにあります。皮膚から吸収された炭酸ガスによって新陳代謝が活発化され肌のターンオーバーも促進。炭酸ガスは血管も拡張しますから血行と高血圧が改善され、心臓の負担も軽くなるという嬉しい働きも持ちます。
泉質別の適応は切り傷、やけど、慢性皮膚病で、肌への優しさにあふれる泉質と言えます。
かつて石膏泉、芒硝泉、正苦味泉と呼ばれていた温泉の総称が「硫酸塩泉」です。
硫酸塩泉は殺菌力も強く、角質も除去してくれるため美肌効果もあります。さらには血行の促進により神経痛やリウマチにも嬉しい効果が多いのですが、やや刺激の強い泉質でもありますので、長湯は避けましょう。敏感肌の人は特に注意して入浴したいところですね。
箱根で一番源泉本数が多いアルカリ性単純温泉に入れるのは、湯本から強羅エリアにかけてです。箱根でも比較的標高の低いエリアに集中していますが、ここでは箱根湯本温泉にある湯宿を2軒ご紹介します。
箱根湯本駅前の温泉街を少し離れた須雲川沿い。静かな環境にあって露天風呂でも知られる宿が「箱根湯本温泉 天成園」です。
広々とした大浴場では、湯船につかりながらのんびりとした時間を過ごすことができます。「天空大露天風呂」と呼ばれる露天風呂からの眺望は抜群。時間を忘れて、身体に優しいアルカリ性単純温泉を堪能しましょう。サウナは高温のドライサウナと低温のミストサウナがあり、お好みで選べるのが嬉しいですね。全12室ある貸切風呂では、ベビー用入浴用品の貸し出しもあります。
住所:〒250-0312 神奈川県足柄下郡箱根町湯本682
TEL:0460-83-8500
施設:温泉 / 露天風呂 / 源泉かけ流し / 大浴場 / サウナ / 貸切風呂 / エステ / 送迎
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あじさい橋を渡ると、専用のエレベーターですぐ。アクセス抜群の「湯本富士屋ホテル」には湯処「早雲」があり、こちらでアルカリ性単純温泉に入ることができます。
広々とした大浴場。豊富な湯量が自慢の内湯にあわせ、露天風呂には岩風呂と檜の風呂があります。遠赤外線でじっくりあたたまる「低温トロンサウナ」は50℃ほどですから、身体への負担も少なく、しっかりと汗をかくことができるのが魅力です。誰にも気兼ねせずに温泉を楽しみたいのでしたら、4室ある貸切風呂の利用をおすすめします。
硫黄泉は、芦之湯や仙石原、芦ノ湖、元箱根、そして湯の花沢といった、箱根の中でも奥まったエリアで入ることができます。芦ノ湖近く、2つのホテルをご紹介します。
箱根関所の近く、箱根町港を望むロケーション「箱根ホテル」。元箱根温泉のお湯を引く2つの大浴場はレイアウトが違いますが、時間帯による男女入れ替え制ですので両方での入浴が楽しめます。
箱根ホテルの大浴場は「芦ノ湖の湯」と「大観の湯」の2つ。内風呂と半露天風呂、両方から芦ノ湖を眺められる「芦ノ湖の湯」はチェックインから24時までが女性利用、翌朝6時からが男性利用となります。一方、「大観の湯」の露天風呂は源泉かけ流し。泉質は硫化水素を含まない単純硫黄泉で、硫黄泉でありながら無色透明で肌に優しいのが特徴です。
箱根十七湯の中では最高所にある湯ノ花沢温泉。地中深くから吹き出す130℃の蒸気を沢水とあわせ、温泉だけでなく館内の冷暖房にも活用しているのが「箱根湯の花プリンスホテル」です。
浴場は内湯と露天風呂があり、いずれも開放的な雰囲気。内湯は沸かし湯で、温泉が楽しめるのは露天風呂のみとなりますが、箱根には珍しい乳白色のにごり湯は発汗作用も高く、湯冷めもしにくいのが魅力。春の新緑、夏の夜空、山々が色づく秋、雪見風呂が楽しめる冬と季節ごとに変わる眺めとともに楽しみたい温泉です。
箱根で塩化物泉に入れるのは、湯本あるいは小涌谷、蛸川など多数です。湯本から芦ノ湖畔まで、かなり広いエリアに分布する泉質になります。
箱根の自然を五感で感じる中に、伝統ある温泉旅館や人気の温浴リゾート施設がある小涌園。「天悠」は包み込むようなおもてなしが評判の宿です。
「天悠」と言えば、絶景の露天風呂を外すわけにはいきません。高台に建てられていますので、6階の大浴場「浮雲の湯」からの展望も、湯船の先にあるのは箱根外輪山とまるで天上にいるかのよう。5階大浴場「車沢の湯」は緑に囲まれた癒しの空間。時間帯による入れ替え制で、テイストの違う大浴場を楽しむことができます。すべての客室に、温泉露天風呂があるのも嬉しいですね。
芦ノ湖畔にあり、箱根十七湯では一番新しい蛸川温泉のお湯が楽しめる宿が「龍宮殿」です。宿泊は別館で、隣接する本館が絶景を楽しめる日帰り湯となっています。
「龍宮殿」には「明神」と「明星」、2つの大浴場があります。いずれからも枯山水を見ることができ、箱根の美しい四季を体感しながらの入浴は格別。露天風呂は、宿泊客は無料で入ることができる日帰り温泉「龍宮殿本館」で心ゆくまで楽しみましょう。芦ノ湖と富士山が同時に望む風景は、あたたまりの湯とも言われ心までも癒してくれる塩化物泉の効果を高めてくれるかのようです。
住所:〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根139
TEL:0460-83-1121
施設:温泉 / 露天風呂 / 大浴場 / サウナ / エステ / 送迎(無料)
公式サイトはこちらから
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口にすると酸味を感じ、殺菌効果も持つのが酸性泉です。皮膚疾患への効能が高い酸性泉ですが、箱根では主に仙石原エリアで入ることが可能です。
仙石原のシンボルとも言えるのがススキの原。そのススキの原近くにある温泉宿が「ススキの原 一の湯」です。
本館にある大浴場には、ガラス張りで天井が高く開放的な雰囲気の内湯と隣接する露天風呂があります。周囲を囲むヒノキ林を眺めながらの入浴は、森林浴を兼ねているかのよう。露天風呂では大涌谷温泉からの白い酸性泉を、内湯では大平台温泉のアルカリ性単純温泉を使っていますので、肌がデリケートな人も内湯なら安心。酸性泉を楽しみたい人は、先に露天に入り、あとからお湯が優しい内湯に入ることをおすすめします。
美肌そして血圧の低下といった嬉しい効能が多いのが、炭酸水素塩泉です。箱根では、二ノ平や姥子エリアで入ることができます。
姥子駅近くにあり、大涌谷や芦ノ湖といった人気観光地へのアクセスも良好。富士山の眺望も良好なことで知られるのが「ホテルグリーンプラザ箱根」です。
大浴場は3号館にあります。仙石原温泉にある自家源泉から引いたお湯は炭酸水素塩泉で、弱アルカリ性で角質をおだやかに落としてくれる美肌の湯。冷え性や筋肉痛はもちろん、高血圧や動脈硬化にも効能があるという嬉しい温泉です。箱根随一という富士山の眺望は、山頂付近に雪をかぶった春秋がおすすめとのこと。露天風呂がついた客室や、エステ専用露天風呂でも仙石原温泉の湯を堪能できます。
芦ノ湖の湖尻近く、緑に囲まれた桃源台。1962年オープンの歴史ある「箱根高原ホテル」は、温泉成分やイオンのバランスが整ったお湯が自慢です。
大浴場は「金時湯」「乙女湯」とそれぞれ名付けられており、いずれも内湯と露天風呂を持ちます。元箱根温泉のお湯を使っており、露天は弱アルカリ性の単純温泉を、内湯に炭酸水素塩泉を使っており、異なった泉質のお湯を楽しむことができます。豊富な炭酸が鉄を多く含んだお湯と反応して赤茶色を帯びたりすることもあり、それを目にすると温泉気分が盛り上がるかも。大浴場と同じお湯を使う貸切風呂での入浴も楽しそうですね。
殺菌力が強く、美肌効果もある硫酸塩泉。箱根では主に蛸川温泉、仙石原温泉、姥子温泉と標高の高いエリアで入ることができます。
リゾートの雰囲気にあふれる仙石原。老舗温泉旅館や有名なオーベルジュなども軒を並べるあたりで、存在感を示すホテルが「EN RESORT Re'Cove Hakone」です。
露天風呂は、大涌谷から引いた効能を感じさせる白っぽいにごり湯です。泉質は多彩な適応症がある硫酸塩泉。特筆すべきは同じ大涌谷からのお湯を使う檜風呂で、こちらは源泉かけ流し。良質な箱根のお湯をたっぷりと堪能できますよ。温泉に入れなくても、沸かし湯の内湯で寝湯やジェットバスを楽しみましょう。こだわりの水風呂を備えたサウナも魅力ですね。
「美肌の湯 きのくにや」は1715年の江戸中期に開かれた歴史ある温泉宿。自家源泉「白濁にごり湯」と「湯の花揚湯泉」の2種類が楽しめます。名前の通り美肌の湯として有名で、痛みが治るのだとか。貸切風呂もあるので、一人でゆっくりと温泉を楽しみたい方にもおすすめです。
「箱根十七湯」の名の通り、箱根はさまざまな泉質の温泉を有します。政府が認めた温泉の「掲示用泉質」は10種類ありますが、これらのうち実に6種類を楽しめる箱根は、まさに日本有数の温泉リゾートですね。
入る人を選ばない単純アルカリ性温泉だけでなく、温泉通も満足させる酸性泉などもあります。美肌の湯、あたたまりの湯とそれぞれに特徴を持ちますので、温泉選びも楽しくなりそうですね。宿泊施設にも、昔ながらの温泉旅館から、伝統を感じさせるホテル、モダンな雰囲気のリゾートホテルとさまざまなタイプが揃っており、好みにあわせて選ぶことができます。
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小田急トラベル勤続25年。店舗カウンター業務を経て、現在はWEB関連業務に従事。対面販売にて数多くのお客様を箱根にご案内した経験を活かし、この記事を執筆。暇さえあればプライベートでも箱根に訪れるほど、箱根を愛してやまない。総合旅行業務取扱管理者。
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