箱根の魅力は温泉や美術館、雄大な自然だけではありません。この地には、古くから受け継がれてきた伝統行事や、四季折々の花々を愛でる催しなど、心躍る行事が数多く存在します。
春には伝統芸能の「湯立獅子舞」や満開の桜のライトアップ、初夏には華やかなバラ展、そして夏には芦ノ湖を彩る「湖水祭」など、箱根ならではの風情あふれる行事の数々が繰り広げられます。
美しい自然を背景に繰り広げられる多彩な行事は、きっと心に残る思い出となることでしょう。
箱根の歳時
「HAKONEIKU」 箱根の歳時
箱根は、豊かな自然に恵まれた日本屈指の温泉リゾート地です。澄み切った青空の下、花々が咲き誇り、芦ノ湖の水面がきらめく春から夏は、絶好の行楽シーズンとなります。
雄大な自然と洗練された温泉旅館に加え、歴史と文化が織りなす風情もこの地ならではの魅力です。歴史ある神事や伝統行事、そして四季折々のイベントの数々が箱根の魅力をさらに深めているといえるでしょう。今回は、箱根の伝統文化や豊かな自然に触れることができる春夏の行事をご紹介します。
箱根の魅力は温泉や美術館、雄大な自然だけではありません。この地には、古くから受け継がれてきた伝統行事や、四季折々の花々を愛でる催しなど、心躍る行事が数多く存在します。
春には伝統芸能の「湯立獅子舞」や満開の桜のライトアップ、初夏には華やかなバラ展、そして夏には芦ノ湖を彩る「湖水祭」など、箱根ならではの風情あふれる行事の数々が繰り広げられます。
美しい自然を背景に繰り広げられる多彩な行事は、きっと心に残る思い出となることでしょう。
仙石原の「諏訪神社」では毎年3月27日、悪疫退散と無病息災を祈願する「湯立獅子舞」が奉納されます。
獅子舞の見どころは「釜めぐりの舞」です。煮えたぎる釜から飛び散る熱湯をものともせずに、地を踏み固めて悪霊を追い払う獅子の姿は勇壮そのものです。
クライマックスでは、湯釜に湧き立つ熱湯に笹を浸して清め、神前に献じるとともに、集まった氏子たちにも振りかけます。このときに飛び散る湯は「湯花」と呼ばれ、浴びると一年間無病息災でいられると伝えられています。
「宮城野さくらライトアップ」は、宮城野の春の風物詩です。早川の流れに沿って120本におよぶソメイヨシノが咲き誇ります。花びらの舞い散る桜のトンネルでは、川のせせらぎを感じながら、春の息吹を堪能できます。ライトアップされた幻想的な光景は、映画のワンシーンのようです。
また、国道138号線沿いには約100本のしだれ桜が咲き誇り、ソメイヨシノとは異なる優美な姿を見せてくれます。夜間のライトアップで一層際立つ幽玄美は、訪れる人を魅了してやみません。
仙石原の「公時神社」は、金太郎伝説で有名な「坂田公時」を祀る神社です。毎年5月5日には、子どもたちの無病息災を祈願する「公時まつり」が執り行われます。
子どもたちによる相撲大会やマラソン大会、里神楽の奉納がおこなわれるなど、子どもが主役となる祭りです。また、3月に「諏訪神社」でおこなわれる「湯立獅子舞」はこちらでも奉納され、終日多くの親子連れで賑わいます。
初夏の「恩賜箱根公園」は、萌える緑とやわらかな木漏れ日が心地よく、散策に最適なシーズンを迎えます。園内では例年、5月中旬から6月中旬にかけて「初夏のバラ展」が催されます。
バラの寄せ植えが華やかな公園中央門をくぐり、新緑の園内を進むと、目の前に広がるのがメイン会場の「中央庭園」です。庭園では、プリンセスドゥモナコやプリンセスミチコなど40品種以上のバラが咲き誇り、花の女王の祭典にふさわしい華やかさに包まれます。
例年7月31日から8月6日の1週間、「芦ノ湖夏まつりウィーク」が開催され、芦ノ湖周辺は夏の熱気と祭りの賑わいに包まれます。
夏まつりウィークの幕開けを飾るのは、「九頭龍神社」の御祭神「九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)」を崇める「湖水祭」です。この祭りでは、龍神に供え物を捧げる「湖水神事」が執り行われます。夏の宵闇を背景に芦ノ湖を渡る御供船の姿は、厳かで神秘的です。
湖畔では太鼓フェスティバルが盛大に催され、祭りの夜を熱気で包みます。また、夜空を彩る大輪の花火も次々と打ち上がり、湖上を華やかに彩ります。
「鳥居焼まつり」は8月5日に開催される、火と水の祭典です。芦ノ湖畔の「駒形神社」の祭事で、その昔、里人が芦ノ湖を汚したことに怒った龍神を鎮めるために始まったと伝えられています。
高さ数メートルにもおよぶ巨大な鳥居2基を燃やし、湖水に映る火影を龍神に捧げる壮大な神事です。鳥居に火が放たれると、夜空には花火が打ち上がり、燃え盛る炎と花火の光、湖面に映る火影が夏の夜の芦ノ湖を幻想的に彩ります。
箱根三大祭りの一つ「箱根強羅温泉大文字焼」は毎年8月16日、お盆の送り火におこなわれる行事です。
明星ヶ岳の山腹に浮かび上がる「大」の火文字は、一画目108メートル、二画目162メートル、三画目81メートル、太さ7.5メートルという壮大なスケールを誇ります。
大文字を背景に打ち上げられる花火との競演も見どころです。華やかなスターマインや仕掛け花火など、工夫を凝らした花火の数々が荘厳な大文字をひときわ際立たせます。
箱根は四季折々に異なる表情を見せながら、古くから伝わる伝統行事や季節のイベントとともに移ろいゆきます。
新緑が芽吹き、生命力あふれる春から夏にかけての箱根は、多彩な祭りやイベントで賑わいます。豊かな自然の中で、伝統と文化に触れる旅へ出かけてみませんか。
都心からのアクセスも良好な箱根は、週末のリフレッシュにもゴールデンウィークや夏休みの長期滞在にも適した立地です。今回ご紹介した箱根の歳時を参考に、旅のプランを組んでみませんか。これまでとは違う箱根の魅力に出会えることでしょう。